以下、深津雅央先生からいただいた報告記事を転載いたします。
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筆者:深津雅央(62期)
令和3年9月10日,大阪弁護士会2階ホールにて,五月会創立50周年記念事業である講演会の第4回として,弁護士ドットコム株式会社創業者・参議院議員の元榮太一郎弁護士に,「これからの弁護士の在り方を展望する~弁護士ドットコム創業から上場の軌跡を踏まえて~」とのテーマでご講演いただきました。
ご所属の自由民主党において総裁選挙が近く実施されるという時期でご多忙を極める中,元榮太一郎先生には,弁護士を目指すこととなったきっかけ,大手法律事務所に就職後に起業を目指し,事業の着想を得て「弁護士ドットコム」創業に至るまでの経緯,創業後に生じた社内外での様々なご苦労,そして同時に代表弁護士を務めておられるAuthense法律事務所の経営理念,さらに政界進出を果たし参議院議員となってからの活動や問題意識まで多種多様なお話を,元榮太一郎先生の同期である講演部会の竹田千穂会員との対談形式で,ご講演いただきました。
日本の弁護士で初の株式上場,さらには国会議員を務めるというまさに「異色」の弁護士として注目を浴びている元榮太一郎先生のお話は,どのテーマにおいてもドラマのようなエピソードに彩られており,思わず聴き入ってしまうお話ばかりでした。ただ一方で,事業家としてのアンテナの張り方は,新聞を読み,「20xx年・世界はこうなる」のような書籍にも目を通し,業界を問わず様々な人とのつながりを大事にしてオープンな意見交換を大切にするなど,お聴きすれば当たり前のようなことを,しかし圧倒的な集中力とバイタリティで実行されている様子がありありと伝わり,その点にこそ,マルチキャリアで成功を収める元榮太一郎先生の本質があるのではないかと思わされました。
元榮太一郎先生には,予定を大幅に超過し2時間超,ご講演に加えて会場及びウェブからの質問にまでお答えいただきました。若手会員には今後に大きな希望を与え,中堅・ベテラン会員にはより一層の奮起のためのエネルギーが湧いてくるような,素晴らしいご講演でした。
当日は,未だ大阪府を対象とした緊急事態宣言期間中という厳しい状況ではありましたが,会場およびウェブでの併用開催とし,会場では出席者の体温測定,マスクの着用,消毒を徹底し,ソーシャルディスタンスに配慮した席の配置をすることにより,感染拡大防止に配慮した講演会を無事開催することができました[1]。
五月会創立50周年講演会は,この第4回をもって一区切りとなりました。新型コロナウイルスの感染拡大という講演事業にとっては厳しい状況に直面し,会場・ウェブの併用開催やウェブ単独の開催,弁護士会ホールからの中継配信による開催など,様々な手段を採りつつ,全4回の公演を何とか果たすことができました。各回のご講演者の皆様,ご協力いただいた弁護士会職員の皆様,会場・ウェブを問わずご参加いただいた皆様に改めて厚く御礼を申し上げます。
[1] 参加者は,ウェブ配信の視聴者,会場での参加者(ご挨拶を頂いた先生,講演部会の事務局メンバー等)の合計で約130名。